2006年07月10日

バイオフィードバック(BF)(1)−今なぜBFか

min2.jpg自分でできるリラクゼーションとして有名なのは、自律訓練法です。そのほかにも、呼吸法、瞑想法、漸進的筋弛緩法、イメージトレーニングなどがあります。

共通しているのは、指導する側が、ある決まった教示をして、それに従って反復練習をするという点です。そのため、本人の理解力や、心身相関の理解や指示通りにすることが好きかどうかなどが効果に大きく影響します。

また、最終的には自己トレーニングを目指しますが、最初の段階では、指導する側が教示をします。ですから、自律訓練法や、イメージトレーニングでは他者催眠のような感じにならざるを得ません。そこから自己催眠に移行できる人は、ある程度、自己制御力の高い人です。中には、自律訓練の教示をしている最中に、催眠状態に陥ってしまう人もいます。被暗示性(暗示にかかりやすさ)が高かったり、自己制御力が低い人は、そういった他者催眠レベルから抜け出せず、教示をしてもらえばできるが、自分ではなかなかできないということになります。

自己コントロールによるリラクゼーション法として、バイオフィードバック(以下BF)という方法があります。方法自体は決して新しい物ではなく、心身医学の中では代表的治療法としてあげられています。BFとは、何をすることなのでしょうか。何かしら機械的な印象を受けますよね。じつは理論としては非常に単純なものです。人間の生体情報(バイオ)を何らかの機械を介して、視覚、聴覚など、理解しやすい形に変換して、本人に返す(フィードバック)という方法です。例えば、筋肉に電極をはって、筋電図を測定し、それをパソコン画面で筋電位の高さとして示すか、筋電位を音に変換して、電位の高さを目に見える形、あるいは聞こえる形にして本人に提示するわけです。「あなたはリラックスしていますか」と聞かれても「たぶん」とか曖昧にしか答えられないでしょう、また、「できるだけリラックスしてください」と言われても、自分がどうなっているのかわからないので、とまどいます。「緊張−リラックス」の程度は、筋緊張の強さを相関しますから、筋電位を示されれば、自分が自覚できても出来なくても、示された現実を認めるしかありません。「そんなはずはない、自分はリラックスしている」と言い張ったとて、「筋肉はそうなっていませんよ」と示されるわけです。

曖昧な生体情報を客観的に理解しやすい形に変換して本人に提示し、提示された本人は、何かしら工夫して、その数値、画像、あるいは音を調整していく方法をBFをいいます。そうこう工夫している内に、本人は知らぬ間に、何らかのリラックス法を自分なりに体得していくというやりかたです。参考までにいくつかのリラックス法を提示したとしても、基本的には、本人の工夫が中心になります。そこが、前述した他のリラクゼーション法とは全く違う点です。本人はどういう方法をとってもよいということと、本人の中で可能な方法を使うことになります。ということは、自然にその人にとって得意な、あるいは、その人に向いている方法を無意識に選択すると言えます。

そのため、教示通りにするとか、上手にしなくてはいけないというプレッシャーが無くなり、むしろ、自分自身へのチャレンジ、冒険的ニュアンスを帯びてきます。指導する側は、本人の努力、工夫を十分評価し、ほんの少しの成果をともに喜ぶことで、本人のモチベーションがさらに上がることになります。たとえ、うまくいかなくても、それは良い方法がまだ見つからないだけであって、自分が下手だとかダメだとかいう話にはなりません。心身相関現象が理解しにくい方、教示されればできるが、自分でやろうとしてもうまくいかないかた、暗示性が強い方など、通常のリラクゼーション法に向かない人に是非お勧めしたい方法です。BF中に行うことは、自分の中で工夫したことなので、自分に無理がないわけです。何も起こらないということはあっても、何かが起こりすぎるということや、暗示にかかりすぎるというようなことはまず起こらないので安全性も高いと思います。

日本ではあまり盛んではありませんが、アメリカ人の性格ゆえでしょうか、アメリカには優れたBFの機械がたくさん存在します。また、ゲームのソフトウエアのように、本人のモチベーションが上がりやすいように、楽しんでできるように、すばらしい工夫がなされています。

どのような生体情報をフィードバックするかといえば、まず簡単に測定できるもので、リラクゼーションに深く関わっている情報が望ましいです。現在使われているのは、皮膚温、皮膚電気抵抗、筋電位、心拍変動、呼吸、脳波です。

次に、それぞれの方法について具体的にご説明します。

stake43 at 00:55│clip!バイオフィードバック