2006年09月05日

バイオフィードバック(BF)(2)−皮膚温のフィードバック

9f937784.jpgバイオフィードバックは、微細な生体反応を機械を介して、一端外にひっぱりだし、人間にとって一番わかりやすい、視覚情報や聴覚情報に変換して、もう一度人体に返します。本来は、そんなことをしなくても、無意識に自分の体内でバランスを取っているわけです。自然界に存在するものは自然に調和が取れていて、ひとたびずれても、自然に揺れ戻しが起こり、一定の状態を保とうとします。地球規模で言えば、地球温暖化とか言っていますが、それも人間の都合で考えれば大問題ですが、地球の立場からすれば、人間が無茶したことの帳尻を合わせるためにやっていることでしょう。最終的には、「いい加減にしろ」と人間を排除仕様とするかもしれません。
話が大きくそれましたが、バランスを取るというのは、人の都合とは全く別次元の減少だということです。人間が病気になるのも、自然界の摂理から言えば、時々なってくれないと困るのでしょうし、病気になって動けなくなるのも、生体が回復するために必要なプロセスなのでしょう。
しかし、人間界ではそうはいきません。何がどうなろうと、いつも同じように仕事や勉強や家事をこなさないといけません。適当に手を抜いたり、休んだり出来る人は、より自然の摂理にそぐっているわけです。しかし、思考優先の人は、体の事情より自分の目標、家族の事情、世間体、競争などなど、自然に反した人間界の事情で行動を続けます。そして、それが滞ると病気になったと感じるのです。
しかし、体の方から見ると、ブレーキをかけて、自分を守ろうとしているのかもしれません。大きな症状でもないと、立ち止まってくれませんから。発熱、痛み、あるいは他の身体症状、内科疾患だと、さすがに人はあきらめて、休もうとしますが、検査に異常がでにくい精神疾患や自律神経失調症状ではなかなか人は休んでくれません。あるいは、その人は休みたくても、周りが休ませてくれません。
そういった、自然に反した異常な生活習慣が普通になってしまっている現代人は、適度なフィードバック機構が麻痺してしまっています。自分の体からのSOSを察知するのがものすごく下手になっているのです。ですから、前述したように、理解しやすい情報に変換し、あるいは異常なんだと分かる形にして、それを修正する練習が必要になります。
とかく理屈っぽい現代人には良い方法です。特に、瞑想とか自律訓練法とかなどのような抽象的で、うまくいっているのかどうかわかりにくい方法が苦手な人には、価値のある方法です。自律訓練と組み合わせて、うまくいっているのかどうかを実感しながら行うのも有効でしょう。
一番簡単なBFを紹介します。ストレスチェッカーなるカードを見たことはあるでしょうか。指を当てると色が変わるというものです。人は緊張すると末梢血管が収縮するので、皮膚温が低下します。それを逆利用したのが自律訓練法の温感練習で、手が温かいとイメージすることによってリラックスを誘導します。
感覚だけでなく、実際に皮膚温が上昇するとか、ストレスチェックカードの色が変わると、リラックスがうまくいっていることがより良く分かりますね。
通常BF装置は高価なものが多いですが、温度計なら安く手に入ります。当院では、デジタル温度計を利用し、センサーを指先に固定して、自律訓練を初め、温度が上がる工夫を自分なりにする練習をしてもらっています。初めは何も分からない場合が多いですが、実際に温度が変化することが分かると、「呼吸をどうするか、気持ちをどうするか、イメージをどうするか」など自分なりに試してみて、より温度が上がる方法を見つけていきます。今まで全くリラックスという感覚が分からなかった人が、「どうすれば温度があがるか分かった。これがリラックスというものなのかな」と言うようになります。そうなればしめたもの。それをより深めていけばよいわけです。
一日に数回、本の少しの時間でよいので、やってみるとよいでしょう。デジタル温度計は小さいので持ち運びも楽です。温度が上がるかどうかも大事ですが、一日に数回、自分の体を見つめる、自分の体を5分でもいたわる習慣をつけることに、より大きな意味があると思っています。
温度センサーよりもっと簡便な方法に。BioSquareというシールをつかってものがあります。これは皮膚温によって色が変わるので、手に貼っておくと、今自分がリラックスした状態にあるかどうか、あるいは、「今、緊張している」ということがリアルタイムにわかるため、自分自身のモニターとして役立ちます

stake43 at 02:13│clip!バイオフィードバック